連続で来ている軽井沢方面。今日は古道「旧中山道」。
江戸時代の人がまさに歩いて越えた峠みちで、最終地点には
碓氷の関所がある。
マウンテンバイカーには有名な「旧中山道」なので、
ネット上でも多数情報が掲載されていた。
ルートは"MTBツーリングBOOK 関東版"という本にも載っている。
山岳サイクリング研究会という方々が、実際に走ったルートが
数多く載っていて、この本は貴重な情報源となるので
今後も手放せない本だ。
ただ初版が1991年と少々古いこともあり、
様々なルートの現況は本の内容どおりではないかもしれない。
ネット上で、1カ所みちを間違えやすい分岐点があることを知り、
その地点の写真も掲載されていたので、要要チェック!
〈ひたすら下った後、コースを外れていた〉
なんてことは考えただけでも恐ろしい。
まだ未体験だが、下ってきた道のりを登り返すほど
嫌なことはないと想像してしまう。時間のロスも嫌だ。
ネットの写真を見ながら、山と高原地図で「旧中山道」を探る。
「あれ? 分岐点がどこかわからない」 一抹の不安がよぎる。
何度見ても見当たらないので、素直にあきらめた。
う〜ん、行けばなんとかなるか? 初心者なので辛いところ。
当日、旧軽井沢銀座の人混みを抜けて、
舗装路を熊野神社・見晴台方面へと向かう。
徐々に登りがきつくなってきた。
ふと右を見ると"見晴台遊歩道入口"がある。地図に赤い線で
ルート表示されていたハイキングコースだ。
実際は、このまま舗装路を登り熊野神社まで行こうと思っていたが、
急遽変更。一路遊歩道へ。
人が一人やっと通れるみちをひたすら登る。
漕いで登れるほどゆるやかではないし、片側は崖。
低速のフラフラ走行では危険なため、ひたすら押し歩きになる。
途中の歩道整備中の階段部分と、コースが車道をまたぐ階段は
担いでクリアする。
このコースはなにしろ狭いのと、
木の根が邪魔をして、押し歩きさえ非常にやりずらい。
やはり"車道を進めばよかった"と後悔。
熊野神社前辺りに到着。またもしばらく登る。
熊出没注意の看板出現。ネットで熊と遭遇した記事を読んでいるので
驚きはしないが、やはり恐い。
「熊鈴用意。」
ハンドルバーの上に装着して、再スタート。
例の間違えやすい分岐点に到達。難なくクリア。
左の少し登っていくみちをゆけばOK!
確かにルート表示板は間違っていたような気がする。
そして、始まる下り。
しばらく緩やかに下る広い快適なみちが続く。
ガンガンスピードを出したい気分。木々は開けていて陽が差し込み、
青空は延々と続く。本当に来てよかったと思った瞬間。突き進め!
土が徐々に黒っぽく変わり出し、道幅も狭くなって
シングルトラックらしい様相に。
「これがシングルトラックか」とニンマリ。
気持ちのよい直線が多いコースなので、
知らず知らずのうちにスピードは乗ってくる。
スピードを楽しむか、ここにいる事を楽しむか・・・。
何だか悩んできた。あまり早く下りきってはもったいない気もする。
熊と遭遇しないようにと願いつつ、途中で止まってみたり、
下って来たコースを振り返ってみたりする。
しばらく下るとみちには、石ころや大量の折れた枝が
点在するようになる。
木の枝はギア近辺に絡まりやすく注意が必要。
フロントギアに度々絡まり、とうとうチェーンが外れる。
枝や石を避けながら突き進むため、小刻みなハンドルさばきが
必要となってきた。これもまた楽しい。もろに石の上を走ってしまったりするので、その反動が腕にもの凄くひびく。
パンクしないかとヒヤヒヤしながらも、スピードはなるべく落としたくない。ハイカーには注意しつつもやはり、このコースは高速で走りたい。
そのほうが何倍も面白い。
なぜか捨てられている車。
(どうやってここまで持ってきたのか今でも不思議?)
でかい倒木、途中に立っている当時の様子を伝える看板などを
すり抜けて、最後の階段まで来た。
乗車のまま下るが、段差を降りきれずに後輪が持ち上がり、
あえなく転倒。
実はこの前にも何回か転倒している。
前輪が前に出ずに、後輪が持ち上がり転倒するという同じパターンを
繰り返している。
「誰かに見られたか!?」
誰も見ているはずもないのに廻りをキョロキョロ。
何事もなかったかのように、即出発。
国道18号へ辿り着き、どうやら完走。
トンネルを抜け、国道18号と併走する今や廃線となった線路上を
バイクで進むと碓氷関所前に出る。
景色がいいのでハイカーもたくさん歩いていた。
達成感と充実感に包まれ、自宅までそのまま帰る。
結構帰る時は自走が好きだ。
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